DIF 花屋の草の根勉強会 ダイアローグ・イン・フラワー

2011年、4月20日から始まった、目的を持たない対話だけの花の勉強会です。主宰は東京・三鷹の花屋コクリコ・ガーデン店主 川口信也。毎月一度、水曜日の夜8時30分から10時30分、東京板橋市場の仲卸フラワーロードさんの前で行っています。参加は自由ですが、事前に連絡をいただいています。

2013年2月28日木曜日

第22回目のダイアローグインフラワー DIF22いたばし  花屋の草の根懇話会のおしらせ


第22回目は2013年3月6日(水)に開催いたします。二十四節気「啓蟄」の次の日になります。もぞもぞと這い出してきてください。

基本は第2水曜日ですが今回は繁忙期ですので第一水曜日になりました。

時間20:30~22:30(終了は時間厳守でやっています。だらだらやりませんので安心を) 寒いので寒冷地仕様で! 

場所 板橋市場花き部仲卸フラワーロードさん店頭広場

ひとりひとりの持ち時間を決めてしっかりと聞き、話す、5分間(3分、1分等の場合も)プレゼンテーション。「ボイス」の第一部、 第二部は、第一部のプレゼンを受けて、その場でテーマを決めて話す、聞く「シェア」の二部構成でやります。

初めての参加者をいつも募集しています。あなたの参加をずっと待っています。

他人事ではなく、うわさ話でもなく、自分にとって今、大事なことについてぜひ話を聞かせてください。

感性だけでなく「ことば」にする。言語化してみる。 たったの5分話すだけです。

ここにいる人たちは、圧倒的な集中力で、あなたの話をまるごと聞きます!

 草の根勉強会の定員は8名です。参加費は無料。

筆記用具だけ持参してください。毎月開催しています(基本は第2水曜日の夜です。毎月一度行っています)。

 花屋さんでも花の生産者さんでもアルバイトの人でもどなたでも参加できます。 仕事をがんばって終わらせて、かけつけてください。

 dialogueinflower●gmail.com (●を@に変えて) のメアド宛に参加申し込みするか、フェイスブックのイベントページを利用してください。 よろしくお願いいたします。


 【 フェイスブックでも参加を募っております 】

https://www.facebook.com/events/219249894886175/

第21回目のダイアローグインフラワー DIF21いたばし  花屋の草の根懇話会が行われました



第21回目のダイアローグインフラワー DIF21いたばし  花屋の草の根懇話会がおこなわれました。


2月20日水曜日、午後8時30分から10時30分まで DIF21が行われました。


今回は、いつものメンバー5名に加えて、長野県佐久市の日本ではとてもめずらしいオーガニック栽培で切り花を生産されている鈴木義啓さんが参加。そして、高松商事さんのセミナーに参加するため上京された山形の鉢物、苗物生産者である栗田さんと小林さんたちが2名で参加されました。詳細は、またあらためて、ここにアップします。




レポート

マツヤマ:

2月の前半に行ってきたオランダで見てきた花屋さんのお話をしました。女性がオーナーのお花屋さんをいくつか取材で尋ねたのですが、一件のお花屋さんのお話は印象的でした。お店をやっていく上で何を大事にしていますか?という問いかけへの答えです。それは、お店からお客さまにどんどん新しい花の楽しみ方や飾り方を提案していくことがとても大事、ということでした。よくお客様の求めるものを、とか、求めに応じて、といわれますが、それをただやっていくだけだと、そこら中の花屋さんがみな同じようになってしまう。それではつまらない、というのです。私たちはマスターフローリストなのだから、つねに新しいイメージを提案する責任がある、とおっしゃっていました。

有山さん:

フラワーバレンタインのプロモーションで心に残ったこと。それは「フラッシュモブ」の現場に参加できたこと。「フラッシュモブ」とは、街なかを舞台にして突然音楽劇が始まったりダンスやパフォーマンスが始まったりするサプライズなアクティビティで主に動画として撮影されウェブ上で公開される広報活動です。一見すると思いつきでやっているような印象がありますが、動画として公開するためにはさまざまな関係機関への許可やスタッフの配置が必要なのだそうです。今回のフラワーバレンタインでも多くの人が影で一生懸命に動いてすばらしい動画になりました。現場では鳥肌が立つような感動がありました。花っていいなあ、音楽っていいなあと思ったそうです。こんな花や音楽のちからで震災復興地の人達を応援して行きたいと思っている。花の力プロジェクトのイベントも23日に開催されます。(されました)。

川口さん:

花屋の場所を移って、新しいお客さんが増えてきている。ICUの近くになったので学生さんが花束を買って行ったりしてくれている。この新しい場所で、心機一転、花屋としての「芯」をあらためてしっかりと固めて行きたい。背骨を鍛えて体幹とか背筋とか筋肉をつけていく。世間では花の仕事についていろんな売り方、アイデアといった「選択肢」として示されるものがいろいろあるけどはたしてずっと続けていけるようなものがどれほどあるのかと思う。じっくりとりくめるようなことを考えて自分の実践として提示してみたい。このごろ自分は店に立つ時に自然体でいられるようになったといつも言っているけど、どんなお客様の話でも聞いてみようという余裕みたいなものができてきたような気がする。まっさらな気持ちでお客様の話を聞いて受け答えしている自分がいる。少しずつまだ成長していけるのかもしれない。

小宮さん:

加盟している団体のデザインコンペを見てきた。いつも思うことだが、デザイン技術を高めていくことと売る、ということの間をどうつめていけばいいのかなと考えてしまう。技術を高めてよい花を生ける一方で、売らなければいけないから売れるような商品を作ることも必要で、気がつくと量販店やチェーン店で置いてあるような商品を同じように作ってしまいがちだ。いろんな理想を言いながら、仕入れは安くおさえないと、と思う自分の中の矛盾。花屋としてのプライドや人間性を打ち出しながらお客さんにお金を出してもらえるような商品をつくっていくことをどうしていけばいいか考える。職人?芸術?ビジネス?


鈴木義啓さん:

東京でデザイン関連の仕事をしていたが11年前に長野県佐久市に移住し花農家となった。いろんな作物があるけれど、花にはほかのなにものにも比べられない色の美しさがある。今はオーガニック栽培をすすめ、カーネーションと草花を栽培している。最近はエディブルフラワーに力を入れていてレストランやホテル、オーガニックショップなどでいつも使ってもらえるように工夫している。花は香りがあり、色があり、そしておいしい。五感で楽しめるのがエディブルフラワーだと気づいた。お花屋さんも大事にしている。市場を頼りにしているが、市場が不得意なところもあるので自分でも顧客と良い関係をつくりたいと努力している。お客さまにどんなふうに必要とされるか、どうやったら喜びを与えられるか、考えて行きたい。お互いが必要とし必要とされる関係をつくりたい。そうすることでずっと続く関係をひとつひとつつくっていきたいと考えている。


稲毛さん:

このひと月は、個人的にもお店も忙しくいっぱいいっぱいだった。ただ、以前から言っているように、いろんなことで店にこれないお客さんがいるので、その人たちに電話して仏様の花を届ける活動は継続している。1日と15日に届ける。



山形市から来てくれた小林藤徳(ふじのり)さん(のりか園芸):

親の代は野菜とさくらんぼ農家、18歳で後継者としての勉強を始めた。自分は親とは違うものをつくりたく、花づくりを学んだ。バラ生産者のもとで学び、いつか母親にバラをプレゼントしたかった。当時、花は高嶺の花だったのでもっと低価格でみんなに愛してもらえるようにしようと思った。海外派遣制度も利用しアメリカに2年ほど行った。そこで「花壇苗」の勉強もした。時代は20年ほど前でガーデニングブームが来ていた。結局、需要にせまられるようにパンジーの苗やブルーサルビアの苗をつくることになった。春の花壇向けと秋に向けて苗物、鉢物をつくった。クリタさんたちと知り合ってからシクラメンを手がけるようになる。カーネーションもつくる。市場出荷や県内のホームセンターなどとリ引きをしている。ずっとがむしゃらにやってきて親の代からやっているハウスを少しずつ借り増やし、自分の品目に変えて、ようやく全部自前でやっていけるようになった。今、40代となり、自分の目標をあたらに設定しなおしてみようと考えていていろいろ勉強をしているところだ。



同じく山形の新庄市から来てくれた栗田哲人(くりたのりと)さん「株式会社フ
ラワーハート・クリタ」社長

親が花の生産をする農家に生まれた。高校を卒業し東京のFAJで働き出した。短い期間で猛烈に勉強しお客さんの役に立てる営業になるようがんばった。その後実家にもどるが、暫くの間、いろんな園芸店をまわって手伝いをし研修を重ねた。花を売るだけではなくハンギングマスターの資格を取り、それを店舗でお客さまに教える講習会などを数多く手がけた。こうした経験を経て5年前に実家にもどり「つくりに入った」。そこでも量販店向きに商品開発をし提案を行うなど自分なりに取り組んでいる。昨年、親から独立した会社を設立し独自に花を作り販売を始めている。きちんとしたマーケティングを行い、自分の商品のラベルを手にしたお客さまが、また、これがほしいと行ってもらえるような生産者になりたい。地元で若手を集めて「アグリウォーカーズ」というグループでさまざまな業種の人と協力してマルシェをやるなどの活動もしている。


後半は、鉢物をとりまく現状や商品トレンドといった話。売り方、値段のつけかた、生産者と販売の連携といった話題で話した。オランダの生産者の営業の仕方、商品作りの話もでた。ポットのサイズが小さくなっていることや完成品市場が大きくなっていることが日本でも同じように進むか、ということも話しに出た。

オランダは市場規模がロシアをはじめ東欧に広がった90年代から2000年代にかけて巨大化する栽培施設のこともその理由付けについて話しました。

鈴木さんのオーガニックの花、エディブルフラワーについての話も興味深かかった。だれに、誰を通じて花が手渡されていくのかいろいろな取組みをされています。

日持ち保証販売がシステムとして構築するのではなく「花屋の責任でやっていきましょう」という大きな変更になっていることを話した。これなら明日から始められる。ただ、自分たちはなにをするかということは別な話でもっと優先順位のたかいものがある(守らなければならないことがある)し、プロセスの問題についてもほかにやれることやるべきことがある、ということを確かめた。

話の中でメンバーが知っている「お茶屋さん」の話が出た。もともとは葬儀の際の香典返しに入れるお茶が商売のメインだったそうだが、売上が落ち込み始める中でもう一度店舗での販売を重視してお得意様をふやそうと努力をし始めた。店頭に小さいベンチを置き、お茶が飲めるようにした。そうすることで少しずつお客さまが足を止め繰り返し購入されるようになってきたという。そのようないくつかの事例を話した。

今回、久しぶりに8名の参加で人数が多いなか、ペース配分をしなかったので、ちょっと話し足りない感じで終りとなりました。



次回22回めはいよいよ繁忙期になりましたので3月6日水曜日と決めました。